目や手触りで料理を楽しませてくれる和食器
高級な料亭やレストランでは、同じ料理でも季節や月ごとに食器を変えて出します。これはお客様に、より料理をおいしく感じてほしいという思いがあってのこと。料理はどんな食器を使うかによって、いろんな楽しみ方ができるもの。味や香りだけでなく、視覚的に楽しむことだってできます。
ここではそんな和食器に注目して、その魅力に迫ってみました。
和食器を使う悦び…器のもつ独特な味わい
陶器をはじめとする和食器は、使っているうちに独特の味わいが出てきます。例えば萩焼は、器が水分を吸い取って独特の色合いに変化します。皮革製品のようにつやが出て、輝きを放ち、しっとりと手になじむようになります。洗ったり乾かしたりを繰り返すことによって、表面のざらつきが取れて滑らかになり、熱などによって色や形も変化していくからです。こうして使い込んでいくことを「器を育てる」と表現します。お年寄りの方がずっと同じご飯茶碗や箸を使い続けるのは、モノを大切にするからだけではありません。長いこと愛用している食器の方が、おいしくご飯が食べられることを、経験から知っているのです。さらにこだわりの強い人になると、茶碗にひびが入ったり、欠けてしまったりしても修復して利用します。
さあ、お気に入りの和食器を探しに行こう!
陶器や漆器などの和食器は、100円ショップでも買えますが、どうせ使うなら世界に2つと同じものがない、職人手作りの食器を使ってみてはいかがでしょう。専門店を訪ねると、2000〜3000円もあればかなりの種類から選ぶことができます。また、一見同じに見える物でも、よく見るとどれも微妙に色や形が異なっています。これは職人さんの手作りの証です。ひとつずつ丁寧に作っているので、全く同じものがないのです。
手間ひまかけて作り上げた匠の技を感じながら、和食器を楽しみましょう。職人さんたちの愛情が詰まった作品は、飾るよりも使っていくことによってその良さを感じることができます。
季節別ごと使ってみたい、おすすめの和食器
【春】に使うなら…
◇ジパング桜湯呑(有田焼)
豪華を極めた黄金の湯のみ茶碗です。内側は桜の花びら型にかたどられていて、お茶を入れると、綺麗な桜の花形が浮き上がります。
【夏】に使うなら…
◇青海兎桃型銘々皿(有田焼)
夏は、透き通るような白地に涼しげな藍色で色づけされた有田焼がおすすめです。中でも青海兎桃型は、海とウサギが描かれたユニークな構図をしています。刺身料理やサラダに、またフルーツの盛り合わせなどがいかにも似合いそう。
【秋】に使うなら…
◇緋襷紅茶碗皿(備前焼)
備前焼独特の絵柄である、赤茶の緋襷(ひだすき)模様が器全体に描かれたティーカップ。ブレイクタイムや日曜の午後にコーヒーやハーブティーを注いではいかがでしょう。暖色系の模様が、ほっとリラックスする時間を与えてくれます。
◇ワイングラス花ライン(木曽漆器)
黒と赤の漆器独特の柄に金のラインが入ったワイングラス。しかも内側は金箔一式に仕立て上げられています。和食器は和食に限らず、洋菓子や洋酒など、外国産のものを味わうのにも適しています。
【冬】に使うなら…
◇雪梅 抹茶碗(清水焼)
薄茶色の柄に、古梅に雪が積もった絵が描かれた抹茶碗。表面の雪の部分が盛り上がっています。また、土焼きながら陶磁器のようななめらかなカーブも大きな魅力です。お抹茶用ですが、もちろん普通の緑茶用としてもOKです。黒漆塗りのお盆に乗せると、その美しさがより際立ちます。ちょっと高級な清水焼ですが、冬の情緒が感じられる品です。
◇花かすみ6号鍋(瀬戸焼)
ピンク色の花畑に、蝶が舞うデザインが鍋蓋に描かれています。冬の寒い夜、1人鍋で温まるには、やはり土鍋を使うのが一番。優しい飴細工のような絵柄が、より心も体も温めてくれそうです。